在宅勤務をしている方の多くは、通勤のために外出をしないので、「座りっぱなし」の時間が長くなり、一日の運動量が減っているでしょう。
今回はコロナ禍においても、「運動の秋」らしく、気持ちよく体を動かすことの大切さについてのお話です。
まず、健康な毎日を送るには、「運動」「栄養」「睡眠」は欠かせません。
運動をすることで、筋肉が強くなることは周知の事実ですが、骨にも刺激が加わり、骨そのものが強くなります。
また、エネルギーを消費することで、「睡眠欲求」も高まるので、質の良い睡眠が得られることが期待され、免疫力を高めます。
このように運動が身体に良いということは、疑う余地はありません。
さらに、最近では、運動をすることが「脳」に良い影響を与えることも分かってきました。
ヨガや太極拳、ウォーキングなど軽めの運動が認知機能を高めるという*1研究結果もあります。
運動を繰り返すことで、身体の成長を促すホルモンが「脳」に分泌され、海馬で新たに神経を増殖させ、学習・記憶力など認知機能が高まることも明らかになってきました。
「歩きながら発明のヒントを得た」という話を聞いたことはありませんか?
これは、Apple社の創業者であるスティーブ・ジョブズをはじめとした、多くの"天才"と呼ばれる人に多く見られた行動です。
スティーブ・ジョブズは、長時間「ウォーキング」をしながら、熟考し、問題解決のヒントを得ていました。歩きながら会議もしていたそうです。
実際に、2014年のスタンフォード大学の研究*2によると、屋内・屋外に限らず、歩いている場合は、座っている場合に比べ、60%も創造的になることが分かっています。
一方、運動をしないで、長時間「座りっぱなし」でいると、血流や筋肉の代謝が下がり、
心筋梗塞、脳血管疾患、肥満、糖尿病、がん、認知症などの健康リスクが高まってしまいます。*3
また、成人を対象にした調査では、1日の座っている時間が11時間以上の人は、4時間未満の人より、死亡リスクが40%も高まるといわれており、2011年のWHO(世界保健機関)の発表では、「座りっぱなし」は、「世界で年間200万人の死因になる」ということでした。
まだまだ新型コロナウイルスへの感染予防は、しっかりと行っていかなければなりませんが、適度な「運動」を積極的に取り入れ、心身ともに健康な毎日を送りましょう。
*1:認知機能の老化を防ぐ運動処方を考える 体力科学 2020年 69 巻 1 号 27
*2:スタンフォード大学HP参照
*3:スポーツ庁Webマガジンより
文=「眠りのお話」編集部
健康維持だけではなく、「脳」にも良い影響を与える運動。
屋内・屋外問わず、「歩く」ことからでも取り入れてみましょう!