「春眠暁を覚えず」という漢詩があるように、春の夜は短く、また気候もよいので、つい寝過ごしてしまう(ぐっすり眠れてしまう)という季節のこと。
睡眠環境にはとても良いはずなのですが、実際に季節ごとの睡眠時間を調査してみると、春の方が冬よりも睡眠時間が短いという結果が出ています。昼の時間が長くなり、寒さも緩むので活動的になるからということでしょうか・・・。
一方、2月の後半からはスギ花粉をはじめ様々な花粉の影響があり、春が眠りにとって、必ずしも良い季節とは言いきれないのかもしれません。
今回は、睡眠における花粉対策について考えてみましょう。
花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が、鼻腔などの粘膜に付着して起こるアレルギー疾患で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりや痒みなど、辛い症状がでてしまうものです。
このような症状が続いてしまうと、日中だけでなく、夜の眠りにも影響してしまい、本当に辛いですよね。
辛い症状に襲われず、よりよい眠りに就くためには、極力花粉を吸わないことです。睡眠中花粉を吸わないようにする工夫ですが、ふとんは外に干すのではなく、ふとん乾燥機を利用しましょう。また、掃除機を利用して、ふとんから花粉を吸い取ってしまうことです。最近はふとん用の掃除機も販売されているので利用するのも良いと思います。
ふとんに付いてしまう花粉は、こまめに掃除機で吸い取りましょう。
また、目・鼻・口など粘膜を良い状態に保つことで、花粉による症状を軽減することができます。その為には、水分をしっかり取ることと、粘膜を良い状態にしてくれる「IgA抗体*1」という物質を増やすことです。「IgA抗体」を増やすには、肉と野菜からビタミンAを摂ると効果的です。最近では、「B240*2」という乳酸菌を摂ることで増えるという研究結果もあります。
ご自身の体調に合わせて、ビタミンAを意識的に食事に取り入れてみましょう!
荒れた粘膜を優しく潤すには、お風呂に入って蒸気を吸うというのも良いですね。
お風呂は、体に付いた花粉を洗い流すためにも、毎晩入ることをおすすめします。
辛い季節、ちょっとした工夫をして、花粉シーズンを乗り切りましょう!
*1「IgA抗体」:侵入してきた病原体にくっついて、無力化するように働く抗体のなかでも、粘膜に関して主体的に活躍している免疫物質のこと。
*2「B240」:植物由来の乳酸菌で目・鼻・口の粘膜のバリア力を上げ、病原体の侵入を防ぐことが期待されています。
文=「眠りのお話」編集部